仕事における連絡のあり方
こんな記事がありました: 部下からLINEで退職届!? ビジネスでSNSを使う会社はアリなのか?。 この記事では、非商用のSNSを利用した業務を“シャドーIT”と呼び、そのリスクを訴えています。 内容としては、最近注目されている普通のトピックです。 気になったのは、この記事の冒頭、
「部下がLINEで退職届を送ってきた」という話を聞いたら、皆さんは驚かれるだろうか。退職届は通常書面で提出することが常識だが、その若手社員は出社を拒否し、そのまま退職しようとしているという。
とあります。 この「部下がLINEで退職届を送ってきた」には色々な要素があるのではないでしょうか。 わかっている事として、
- 部下は上司のLINEを知っている。
- "退職届"がLINEで送られてきた。
があり、さらに分からないこととして、
- "退職届"は、どんな様式で送られてきたのか: テキストメッセージ、PDF、etc。
が挙げられます。 "退職届"と書かれているからには「やめたいです」みたいなメッセージではないのでしょう。 そうすると、
退職届は通常書面で提出することが常識
というのは、常識的ではないけども融通を利かせてもいい範囲かもしれません。 さらに、その後ろには、
退職届は通常書面で提出することが常識だが、その若手社員は出社を拒否し、そのまま退職しようとしている
が続きますが、書面が必要で、出社しなくても郵送とか色々あると感じてしまい、会社はやめさせたくないのではないかという印象を持ってしまいます。
そもそもの話をすれば、1のLINEで違いを認知していることから、この会社では業務連絡で LINEを使用していると推察されます。 そこで、通常の会社で業務連絡に用いられるメールでLINEを置き換えてみると、
「部下がメールで退職届を送ってきた」という話を聞いたら、皆さんは驚かれるだろうか。退職届は通常書面で提出することが常識だが、その若手社員は出社を拒否し、そのまま退職しようとしているという。」
つなります。 すると、受ける印象もだいぶ変わってくるのではないでしょうか。
この記事のツッコミどころは、
日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール実態調査2018」(2018年6月)によると、仕事で周囲とコミュニケーションをとる主な手段はメール(96.5%)が最多。続いて「電話」(90.02%)、「会う」(68.87%)となった。
として、普通はメールですよねといって、SNSをメールと区別して“シャドーIT”と名付けているのに、
LINEの業務利用はなぜ危険なのか
の欄に書かれている“シャドーIT”の危険性のほとんどがメールにも当てはまることです。 この記事では、商用サービスを神聖視しているきらいがありますが、非商用サービスかどうかの問題よりは、そもそもネットリテラシーの問題だと感じました。